
最近校内の色々な授業のビデオを研究していた僕は、見れば見るほど絶望に近いものを覚えるようになった。
というのも、みんなして全く違う質感の英語を喋っていたからだ。ここで改めて言うまでもなく、英語は既に世界語として地球の各地でビジネス言語として用いられており(実はスペイン語・フランス語・ロシア語なども面積では結構な割合を占めるのだが)、どこの国の人が話しても不思議ではないのだが、必然的にその土地土地で違う訛りを帯びた英語が話されている。米語はもちろんポピュラーだが、他にもタガログ訛りのフィリピン英語、ヒンディー訛りのインド英語、そしてオーストラリアにはオーストラリア訛りの英語(豪語とは言わないだろうが、みなさん確かに豪語している)がある。
それに加えて、授業の際には猛スピードで話すので、余計に聞き取れない。これは渡豪して受けた様々な授業の中で、その差を身をもって実験しているので、間違いではないと思う。イギリス系の先生の綺麗な英語は素直に入ってきたが、一番困ったのはパキスタン出身の先生の英語だった。後者は根本的に音が耳に入ってこない状態で、なんとしたものか本当に困った(当時は今よりもっと英語ができなかった)。ここができるようになるかどうかで、その後の生活も変わってくるのだと思うが、僕はそこまで行かないうちに帰国してしまったので仕方がない。そして、余計に攻略法を考えなければいけなくなっている。でなければ、「生き残れない」からだ。
今回お話しする方法は、本来ならさっさと思いつくべきだったのだろうが、最近になってオンライン授業のかなりの内容がダウンロードできるようになっており、さらにスクリプトも間違いが多いながらダウンロードできるようになったことで実現可能になったものでもある。実際には様々な加工の手間があるのだが、とりあえずはダウンロードしたビデオをYoutubeの非公開画面にアップロードし、自動翻訳にかけることを思いついたのだ(上に貼り付けた画像では、僕が既に字幕をつけているので参考にはならないかも知れないが、下部に出ている英語字幕は自動生成なので、なんとなく感じはつかんでいただけるのではと思う)。どこまでうまく行くかは今後の状況にもよるが、どうなったかについては、いずれここでご報告して行きたい。
とはいえ、現状の各社のスクリプト生成機能には色々な問題があり、メインとしては聞き取りの精度に問題がある。僕より格段に耳はいいが、どこかで致命的な聞き違いをたくさん犯してくれるのだ。特に、ITのような特殊な専門用語がある場合、変な単語には敏感に反応するのに、簡単な略語は落としてしまう。なので、結局最終的には自分で修正しないといけないのだが、処理スピード、視覚的利便性という点では、このYoutubeフィルターに勝る方法はない。なので、ビデオをアップロードし、字幕ファイルをアップロードしたら、しばらく待ち、続けて自動翻訳が付くのを待つ。そして、しばらくすると、とりあえず日本語・中国語で翻訳されたものを見ることができるので、そこで内容を確認する。そこで、ドヤ顔でビデオ講義を聞くのだ。
授業内容を日本語・中国語で確認することで、なんとなく言っていることの7割は掴めるようになる(英語の場合、本当に限られた条件下、例えばイギリス英語でクリアな発音とかで8割くらいはなんとかなるのだが、今はそんな条件下にはないので、7割でも万々歳な感じだ)。そして、英語字幕ファイルの時点で既におかしいせいでイミフなところは、自分で字幕の訂正にかかる。そうすれば、自動翻訳も追いついてくれるので、さらに見直すことで中身を理解できるのだ。それを毎週繰り返し、なんとか授業内容に追いつき、さらには英語の癖にも慣れていけることを狙うわけだ。また、YOUTUBEは再生スピードも変更できるので、少しスピードを落とすことで耳慣らしをしてもいいかもしれない。
中年になってからの語学の勉強は耳がついてこない、と思う。なので、こういう方法を使ってなんとか視覚から補い、吸収を試みるほかないのだ。若い学生産にはわからないかも知れないが、もし同じくリスニングに困っている人がいたら、日常の勉強以外に、こうした方法を試してみて欲しい。「そうか、こんなことを話していたのか」という驚きを味わうことになるはずだからだ。
【実験結果】
実は、この文の執筆後、ネットで知り合った高校生に課題の解説ビデオについてディクテーションの補助をお願いすることになった。そこで出てきた字幕原稿をDeeplにかけて日本語版字幕を作り、更に両者をアップロード、YOUTUBE翻訳ではなく、「オリジナルの日本語字幕」で授業を見ることができた。
こういうやり方をすると、当然のように内容がいともすんなりと頭に入ってくる。英語の学習という意味からすると逆効果な一面もあるのだが、原文がわかった上で日本語を見ることは、逆にヒアリングの強化にもつながるように思えた。
機会があれば、是非お試し頂きたい。
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