
科目名は「Introduction of Information Systems」。人類のすべての活動が情報交換を幹に成り立っていることは言うまでもないことだが、それを整理したらどうなるか、整理してもっと合理的な仕組みにするにはどうしたらいいか、と言う話を、概念から始まって少しずつ上級概念に練り上げていく科目だ。
教員はほとんどの科目でチームが組まれていて、講義をする教員と採点する教員が違ったり、他にもテック担当の教員がいたり、その上のチーフが入っていたりと、名簿にはたくさんの名前が見受けられる。今回は、代表講師はローカルの先生、ただ、チュートリアルでは中国人の先生が一部のコマを担当すると言う形をとっていた。講義言語はもちろん英語だ。ローカルの先生も後半では少しずつ交流が生まれ、親しみやすくて良い先生だということがよくわかった。特に最後のチュートリアル授業は彼女が担当し、バーチャルルームには3人しか学生がいなかったので、色々質問することができて良かった。
この講義では、まずHAS(Human Activity System)という概念の解説から始まり、それを組織の中でどう定義し、更により良い形にしていくかという観点から、MBAで習うようなフレームワークを用いたりして、課題になる企業について考えていくような流れになっている。ポーターやミンツバーグ など、後半ではMBAではおなじみの名前が並ぶようになり、対象となる企業の内部構造を人間の動きを中心に追っていくことになるわけだ。
しかし、これがなかなか染み込んでこず、僕はてこずった。途中で迷走した時点では点数も芳しくなかったのだが、平均すれば、途中経過のレポートではまあまあな点数を取るようになっていた。
この授業で良かったのは、おそらく世の中の仕組みの基本的なところを考えるフレームワークや用語を習得できた点にあるのかと思う。確かにそうだよなあ、と思いながら、教材を眺めていたことを思い出す。だが、講義については、英語力の問題もあってか評価がし難い状態にあった。わかるところ、わからないところがマダラになっており、結局はネットにある日本語素材でかなりの部分を補ったように思う。インプットとアウトプットが比例関係にない外国生活というのは、どうも割りに合わない。
なお、この教科は唯一完全な講義ビデオとマテリアルが事前に準備されている教科でもあった。これは担当講師が前学期の授業を全部休み、2ヶ月以上を費やして作った労作であり、更にライブチュートリアルも週に8コマは用意するという、オンライン時代を先取りするコースデザインの見本のような科目だ。これはオンラインコースの方向性を示すものであり、他の教員にも見習って欲しいスタンスだ。
上に書いた通り、この科目ではレポートの対象になる企業が設定されている。数回前に書いたミルトンへの旅は、その為の実地調査だった。こればかりは現地に行かないとわからないことも多く、個人的にはレポートを想像で書きたくないという思いもあり、勢いで電車の旅に出たのだが、結果としては良かったように感じる。結果として、レポートの中で文句をつけまくることにはなったのだが。・・・理由は、分析するにはあまりにもダメダメな農村企業だったからだ。変にフレームワークを適用しようとすると、絶対に無理の出る会社だったのだ。そういう「努力」もあってか、先生との話にも張りが出た感じはしているし、その後の宿題の評価は高かった。
さて、点数は83.3点、評定はD、GPAは6だった。まあまあな出来だが、実地調査の労苦は報われなかったように感じる。あと1点そこらでHDだった・・・、という点には、世の中の厳しさをも感じさせる。

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