
こちらに来てそろそろ1年。実際は9月に来たのだが、途中3ヶ月は帰国していたので、多分年末でやっと1年ということになる。
しかし、最初はまだしも、グリフィスに移ってからは二週間目にはオンラインになり、更に院の授業は最初からオンラインで、クラスメイトもほぼできていない。できたクラスメイトはほぼ留学生、よく話すのは中国系ばかりなので、特に英語とは関係ない。ローカルの学生でよく話すのは1人か2人がやっとだ。
カナダに留学した女子学生の歌が一時話題になったが、まさにあんな感じというか、完全に室内留学になっていて、別にここにいる意味も無くなってきているのが現状だ。
政府の姿勢も、「留学生は帰れ」なので、こちらのやる気も削がれる。

また、最近になって、日豪間での旅行解禁を検討するというニュースも出たが、ほぼ同じタイミングで、こちらでは「国境を開くのは来年末になる」という話も出ており、どう考えても楽観的ムードではない。
3月というまぬけな時期に帰国してしまった学生は、アパートなどの費用を払い続け、更に場合によっては卒業しても部屋を引き払うことすらできないでいる。こちらのルールは大家に有利にできており、借りる方には極めて不利にできているせいだ。途中解約はまず無理で、「解約するなら契約期限内の家賃を次の借主が見つかるまで払え」と言う規定になっている。実際に、うちの隣の部屋には中国人カップルが住んでいたが、これも変なタイミングで帰国してしまったことから、今まで家賃を払い続けながら、戻ってくることができないでいる。家が金持ちらしく、彼らの親にしてみれば本当に「どうでも良い」金額なのだろうが、こちらにとっては結構な金額だ。毎月10万円、ペリカならいくらになるだろう。しかし、この額を「寄付」しつつ、今後なお「留学」したいと思うだろうか。オンラインなら、世界中どこを旅していてもいいのだから、オーストラリアに寄付する必要などなくなってくるのだから。
この国は、制度上から外国人には冷たいし(日本も根っから冷たいが、この国は基本的に外国人に求めるものは「金」なので、常に消費を求められ、できない者には冷たい)、規定ラインの上でも下でもない行動規範は、ほとんど融通というものを知らない。食べ物も特徴がなく、結局は中華や韓国料理が幅を利かせている。いわゆる有名大学は、とんでもなく高い学費を平気で提示するが、どう考えてもコスパには合わない。現にUNSWが電話をかけてきて、学費を聞いたら7万ドルと言われた。それもオンラインでだ。そんな数字を聞いたら、青空とコアラとカンガルーが死ぬほど好きだという御仁以外には、この国は推薦できなくなる。オンライン教育でわかったことは、この国の教育には定価の25%ほどの価値しかないことくらいだ。もちろん、「それじゃダメだろ」と学校に提案はしているし、その一部は来学期から採用されることになったので、僕は文句だけを並べているわけではなく、「それだけの価値を出してみろよ」と常に学校に迫っている立場だ。ただ、内容がどれだけ優れてるわけでもないのに、日本の倍以上の学費を取られるのはやっぱり承服できないし、サポート部門も英語しかないのは時代遅れもいいところだと考えている。なので、文句はこれからもつけまくる。
そんな生活の中で、まだこちらで日々の生活に喘ぐ者として考えたのは、この無味乾燥な日々を「ラーニング・ホリデー」と思うことにするスタンスだ。まあ元からそうだったのだが、要は授業付きの贅沢な休暇に来たのだということだ。そう考えれば、転地療養の一種としては受け入れられる。作家がホテルに缶詰になるあの状態を、今味わっているのだ。そうだ、そうに違いない(10回繰り返し)。
ワーホリで来ている若者らは、今この瞬間どうしているのだろう。まだ夢を抱いている若者は、今回の渡航中止でどう考えを変えたのだろう。各国の真価が問われる時代になったと言うことだろうか。それとも、この国に来ていた学生たちは、単に永住権や国籍を目当てに割り切って来ていた、また今後もくる、とでも言うのだろうか。それぞれの意思は否定しないが、僕は完全に裏切られた気持ちになっている。もちろん、こちらにいる分には取り返させてもらうつもりだ。1000倍までは行かなくても、10倍くらいは許されるだろう。
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