
英国で1990年に製作が開始された「マスターシェフ」。2009年にオーストラリア版に移植されたこの番組に、在宅時間の長い最近無茶苦茶ハマっている。
この番組に関しては、ここ数年に渡って、すでに何人もの方がブログなどで書き込まれているが、そのキャスティング、カメラワークと編集のどれもが素晴らしく、毎回様々なタスクをこなすキャストの能力にも圧倒される。
世界中46カ国で製作されているという事実は、この番組のフォーマットが極めて優秀であることを示すものだ。日本もフォーマットビジネスはしているが、成功例は少なく、このような成功例は出ていない。「SASUKE」を挙げられる向きもあるとは思うが、SASUKEは欧米での成功例も確かにありつつ、中国での大失敗の例もあり、ここまでの普及はまだまだ難しい。
十人を超えるアマチュアシェフが頂点を目指す姿は、昔日本でやっていた「料理の鉄人」のような形式とは似て異なる魅力を持つ。そして、見えない状態で二人が同じ料理を作るブラインドクックや、レシピなく見本の料理を再構成する無茶苦茶なトライアルなど、見所は多く、リズミカルな編集がさらにそのプロセスを魅力的に仕上げている。僕も中国でバラエティ番組の製作に関わったが、優秀な映像編集技術というのはどの国でも重要だ。その点においてオーストラリアのドラマがダメダメなのは不思議なのだが、これは良い脚本家がいないことにも原因しているのだろう。
こうして呑気にテレビを見ていられるのは今のうち、という要素も手伝ってかも知れないが、この番組を見る時間だけは、様々な嫌なことを忘れられる。面白い番組ばかりあっても困るのだが、こういう息抜きの時間は貴重だ。
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