語学コース、修了。

 進学の為の学内英語補修コースであるDEPを修了した。十週間とは言うものの、実質的には八週間強のコースで、大学の授業を受ける為の訓練を受けるのだが、「もし内部直結型の語学学校でなくても行く価値があると感じるか」と問われると、力強い肯定をすることは無理に感じる。

 何が良くて、何が不味いのか。いくつかのパートに分けて検証してみよう。

 学部や大学院進学直前のコースであるDEP7(デップセブン・ご想像の通り、1から7まであり、7が最高で、6の修了者かIELTS6以上の学生が対象となる)では、四つのパートに分けて、学校での授業の受け方を学ぶ。英語の、と言うよりは、学び方のフォーマットを学ぶ感が強い。これは日本では習わない(最近は教える学校も増えているようだが)ので、新鮮ではあったし、ボンド(EAP)でもグリフィスでも受けて良かったとは思う。

1.授業内容

 ボンドもグリフィスも、二人の教員が月水金・火木に分かれて授業を担当する。グリフィスでは、月水金を担当する教員が、英語の用法を学ぶ科目であるLanguage in Use (LU)Research and Preparation (RP)を担当するのだが、その内容はかなり論文作法に偏っている。要は、英語の文章作法的な部分を学ぶことになるのだ。受動態にする技術であったり、名詞化の方法であったり、ディスコースマーカー(接続詞)であったり、文章構造の作り方であったりを学ぶ科目と言うことだ。要は「こうすればアカデミックな英語になる」と言うテクニックや、学術論文的単語の選択法を学ぶのだが、毎週書かされる作文は訂正と書き直しの作業があるにしても、なぜそれではいけないのか、どうすればもっときれいな文章になるのかは示されず、ひたすら直され、書き直し、と言う作業をするので、結局は伸びることはない(ある程度のレベルの奴ならそれで直るが、そのレベルの奴ならこんなコースは必要がない)。これは二校経験したが、どちらも同じような方式で進むことになる。しかし、どうも形式的になりすぎていて、本当に学生の実力を高めようと言う意気込みは感じられない。本来ならば、なぜ間違い、どうすれば間違わなくなるかを個別で指導しなければならない内容だ。そして、Plagiarism(学術倫理・人のものは勝手にパクるなよと言うありがたい教え)については毎週ひたすら色々と聞かされ、だんだん飽きてくることになる。もちろん、それを言ってもググってコピーしてくるアホな学生は後を絶たないので、仕方ないといえば仕方ないのだが、オリジナル街道をひた走る僕のような学生にとっては、いい加減耳タコになるほど、これを毎週聞かされ、かなりやる気が削がれた。

 そして火木を担当するもう一人の教員からは、Critical Thinking (CT) Issues of Society (IS)の二科目が教授される。これは読解や理解、そして口頭発表に関しての科目と言ってよく、プレゼンテーションやディベートに関しての知識を抗議し、更にテストの一環として、実際にプレゼンテーションディベートが組み込まれている(ボンドでも変わらない)。実は僕は人前に立つのがすごく苦手で、ボンドでも最初のプレゼンはかなり固まっていて、点数が悪かった。しかし、二回目のプレゼンではこちがつかめ、唯一HDを貰っていた。が、やっぱり人前に立つのは苦手で、オンライン授業の恩恵を受けたような気まずい立ち位置にいた。ただ、パワポ作りが比較的得意なことが幸いして、半分はビジュアルで乗り越えることができた。そのおかげで、プレゼンもディベートもAを頂いたのだが、なぜか最後の成績はCレベルに落とされ、非常に微妙な後味を味わった。ボンドで同レベルのEAP3を受けた学生も、2の方が為になった、と語っている。なので、こうしたカリキュラムの設計(特に最上級クラス)にはまだ改善の余地があるということだろう。

2.成績

 最終成績はIELTSの時と変わらず、全分野同じ点数の横並びだった。僕より文法の得意な仲良しの同級生はといえば、全部バラバラで、合計点で僕を一点上回っただけだった。本当に優秀な奴だったので、その評価には疑問符がついた。本人曰く、「こんな悲惨な点数初めてよ」とのことで、僕は更に一点悲惨だったのだが、恐らく本国で大学に通っていた頃から優秀だったんだろうなと思われる。基準は各分野で50%以上の点数を取ることなので、僕もそれはまあまあクリアできていたが、確かに不満は募る。何が間違いで、何が問題で、どこをどう伸ばしていくべきかというカルテくらい提供すべきだろうと思うからだ。言語の勉強は生涯かけて完成されるものだ。それを学内にありながら「修了したらポイ」では、ただの切り売りにしか感じられない。修了した学生に能力分析カルテを提供し、その後もフォローアップする体制があってしかるべきなのではないか。もちろん、進学後も図書館や専門の部門で指導を受けることはできるのだが、それがもしDEPの成績や弱点分析と結びついていたら、もっと効果的な指導や補修材料の提供が可能になると思う。ビッグデータやAIを使えば、学生の作文データの分析なんかすぐにできるはずなのだが、そこまで意識が回っていないようだ。

 話は逸れるが、同級生のことを書いて思い出したことがある。僕もよく考えたら大学から大学院まで成績だけは良かったのだ。GPAも今計算すれば全部3.8以上あったし、博士の時は4だった。しかし、豪州に触るようになってから点数は落ちている。特にMBAではあまりいい点数が取れていなかった。変な話だが、自然体でいい点数が取れないというのは、ある意味「向いていない」ことを反映した現象ではないかと思う。そこで無理やり点を取るために自分を矯正するか(僕はできなかった)、すっぱり諦めて別の道を探るか、点数が伸びない人は考えた方がいいと考えている。奨学金の件も原因ではあるのだが、この点も僕が大規模軌道修正をはかった原因の一つだ。

3.良い点

 話を戻そう。これらのコースに共通した良い点は、恐らく、大学での授業の受け方を端的に示された点ではないかと思う。前のめりで、積極的に、そして緻密に知識を取り入れていく姿勢が求められるということを教えられた。発音のクリアな二人の先生と、同級生にも恵まれたのが幸いしたのか、全体的には楽しく授業はうけられたと思うが、如何せん文法のセンスが身についていない僕は、全般に渡って見えないプレッシャーに苦しんでいた。時制だのなんだのが感覚としてつかめないのだ。勉強嫌いな性格も影響しているのだが、腹落ちのいい教材や説明にも出会えず、去年九月からの「無理やりブースト」状態に入ってしまっているので、余計に筋が悪い。英語の考え方を学びたい、という姿勢に答える先生にも出会えていない。今回もそれができずに「修了」してしまった。

4.改善点

 お分かりとは思うが、悪かった点は、自分の疑問に答えが見つからなかった点だ。先生は「いつでも聞いてくれ」と言いつつ、何か聞くと「時間がない」と断るので、何の為に質問したかわからないことが沢山あった。もちろん、全員の利益に関わるマクロな問題は全部答えてくれたのだが、僕のミクロな部分は謎のまま修了してしまった。これでは金を払った意味がない。

 更に、学校のマネジメントも含め、例の如くルールには忠実だが人間には不親切で、異様にマイクロソフトのTEAMSに寄りかかっていて、不都合があってもなかなか対応してくれない。システムは万能だと思っているような気配すらあった。我々からすればシステムはヒトの作ったものであり、いくら便利に見えてもまだまだ穴だらけなのが現状だ。それを理解できない面々の対応には辟易とさせられた。人間を信じないで、何が教育だ。いや、もちろん僕も性悪説論者ではあるのだが、今回はその徹底した人間不信ぶりを見せられ、変な愚かさを見せつけられた気がしたのだ。オンラインでなく、対面だったらなんとかなったのか、それは仮定の話なので、今答えは出ない。

 そして、なんとそうした問題は解決されぬままコースはとっとと修了してしまった。とりあえず修了したが、クラスからは三名の脱落者が出た。本人らとは話していないが、人づてに聞くところでは、どうも文章のコピペが酷すぎたらしい。それは先生としても救いようがあるまい。屁理屈でも並べれば文章になるし、採点もできるのに、コピーではどうしようもない。お金はかかるが、もう少し勉強できることは、彼らにとってはいいことだと思う。

 そういえば、最後にあるはずだった「文句のフィードバックの機会」もないままだった。FBで担当講師が労いの言葉をかけてきたので、とりあえず僕は不満を10ポイントにまとめて返信した。どれも正直かつ冷静な分析の結果として書いたので、少し傷付いたかもしれないが、実際にはこうすればもっと学生の上達を図れる、というポイントをまとめたものになっているので、よく読んでくれれば今後のクオリティは上がるはずだ。

5.結論

 現時点での感触は、コスパやフォローアップ体制も含めて考えると、豪州留学には疑問符がつき始めている。もちろん、最後までしゃぶってから答えを出すつもりだが、将来この国を留学先として勧められるか、疑念は強まるばかりである。

 

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