[肺炎関連③]日本の困った現状。の傾向と対策。

 日本国内の症例(船ネタを除いた症例数)が、もうすぐ100という山を越えようとしています。これだけ自由にさせていて、この数というのは優秀ではあるのですが、今問題になっているのはどのような経路で感染が広まっているのかという点です。

 ここで、日経新聞がまとめた感染者のいる県の地図を見てみましょう。

©️ 2020 NIKKEI.COM 2020年2月22日ネット掲載分より
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 ここから、千歳空港・小松空港・成田空港・羽田空港・中部空港・福岡空港まではわかるのですが、関西国際空港の近隣地域での感染例が出ていません。関空経由の入国は極めて多いはずなのですが、ここで感染例が無いのは謎です。

 また、現在恐れるべきなのは、日本国民の鈍感さです。町に出てみると、驚くほどマスクをしている人が少ないのです。まだ、「日本は大丈夫」という意識が強いのでしょうか。もちろん、疫病の大規模な拡散は数十年となかったことなので、「意味がわかっていない」可能性もありますが、大部分は政府の無策のせいとも言えます。

 日本政府も同様で、管轄官庁である厚生労働省が「陽性が出て職場に動揺が出たら困る」とか訳のわからない本末転倒な理由で乗船勤務をした職員の検査を行わずに本庁に返すなど、とんでもない非常識なことをやっているおり、ここまできても「シャワーだだ漏れ(前回参照)」のままということになります。

 そして、今ここにきて少々恐ろしいのは、いきなりですが風俗嬢です。彼女らは日頃から外国人との超濃厚接触をする職業であり、彼女らの誰かに感染している可能性は極めて高いと思われます。その場合、次の客から続々と感染していくことになりますから大変です。春節期間に風俗を利用した男性とその家族や同僚(ってそんなの知りようもないし互いに聞けないでしょうが)は要注意です。

 TVが煽りすぎている、という意見も出ていますが、それはSARSの時の感染の恐ろしさを見ていないから仕方ありません。そして、今回のウイルスの感染力の強さをまだ実感できていないかわいそうな存在としか言いようがありません。さらに、政府が入国制限をかけない限り、保菌者はまだまだ細菌兵器のように日本に入ってきますので、余計に注意が必要です。

 では、そうは言っても少し距離をおいて見るために、現状考え得るウイルスの性質や予防法についても書いておきましょう。

 まず、現状から判断して、今回のウイルスは感染力は強いものの、日本では軽症で治癒する割合が高くなっています。ですので、大半は軽症のまま快方に向かいます。ですが、中国の報道では再感染した例も出ている他、治癒後も保菌者である例がカナダなどで報告されているので、気は抜けません。

 また、予防はインフル予防と変わりません。ウイルスは120nmという、我々の肉眼で見えもしない、防ぎようもない小さな存在ですので、前回も書きましたが、①毎日節目節目で手を洗う+アルコール消毒する、②手で目を擦ったり鼻をほじったり口を拭いたりしない(ティッシュなど間接手段を使いましょう)、③くしゃみや咳込みはハンカチやティッシュで口を覆う(これは誤解を与えず且つもし万一保菌していてもうつさないため)、④部屋の換気をよくする、⑤家で蚊取り線香や濃度の高い線香を焚きしめる⑥マスクとメガネ(ゴーグル)をする、⑦人混みにいかない⑧電車の手すりなどを掴まない(掴んだらその度手を消毒する)などの方法で、まずは自らを清潔に保ちましょう。簡単に言えば、「何か触った手で粘膜に触れない」こと(なので粘膜接触しまくりの風俗遊びはもっての外なのです)が、最大の予防法です。

 また、今回の肺炎は最初から肺炎ではありません。最初に風邪ににた症状を示し、その後に肺炎に発展します。そのプロセスはインフルも普通の風邪も全く同じですので、「風邪の予防」をメインに考えれば十分です。そして普段より気をつけること。不必要に怖がる必要はありません。ですが、油断は禁物です。

 この先、米・豪・露・朝のように入国制限をかけない日本では、春先までは感染者が出ることでしょう。さらに、中国の旅行業者は「日本経由で豪州に入ろうツアー」を売り出していますので、余計におかしなことになる可能性もあります。その困った現象に鑑みつつ、自己管理に努めて頂ければと思います。

 なお、以上の内容は、医学の徒の端くれとして臨床医とも話した内容も含まれていますし、中国の政治経済専門家や現地の友人らともディスカッションしての内容なので、嘘でも誇張でもありません。数少ない読者の皆さんの参考になれば幸いです。

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