エージェントのお仕事。

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 昔も書いたが、留学にあたってはエージェントを利用するのが通常の方法になる。もちろん、エージェントを雇いたくない人もいるだろうから、個人でやっても構わない。僕はボンドに行くときは自分で全部やってしまい(それもなぜかできてしまい)、その存在を知らなかったのだが、グリフィスに行く時には、グリフィスの日本事務所から紹介されてゴールドコーストのエージェントと知り合い、手続きを依頼することになった。

 しかし、実際にはどんな作業をしてくれているのか、深く考えることがないままに通学先を変更していた僕は、それを考えることはなかったのだが、今回考えることにしてみた。

 僕はどんどん先に進めてしまうキャラ上、面倒なことが起きなければエージェントに頼むことはしないタイプなので、例えば親切にやってくれる銀行口座の開設や携帯電話の契約などではお世話にはならなかったし、学校も決め打ちだったので、結局相談も何もせず、作業をお願いすることになった。もちろん、個人的に話の合う部分では色々世間話もしたし、時には学生を紹介したりもした。

 そこでどのあたりに「ここは頼らないと不便」と感じたか。これは個人的な見解だが、エージェントは学校のエージェントでもあり、その立場として一番際立つのはCertified Copyと書類のチェックに関する業務ではなかろうかと考える。CCの部分は僕らは自分ではできず、教師や弁護士、警官、医者・看護師・薬剤師・獣医など、いわゆる免状を持った方々や、公認エージェントの一部のJustices of the peaceとして書類に証明サインをする役割を担える人に書類が本物ですよーという証明をして貰わなければならない。また、もちろんその資格を持つ人のいる場所に行ってサインをもらってくることができるなら、エージェントはいらないかもしれない(ちなみに、以下の人たちがその資格を持っている。ここでは原則として原本を持っていき、そこで提出用のコピーを作り、署名してもらう。この作業は原則タダだ。日本では公証役場でその手続きをするが、多分一部毎にいくら、とお金を取られる事になるので、日本から申請する場合はやはりエージェントに頼った方がいい)。しかし、よく考えると、手元の書類はPDFで送っていることが多い。その辺はご愛嬌なのだろうか。

Bank managers(5年以上の職歴を持つ銀行員)銀行
Justices of the Peace(判事)裁判所
Registered Medical Practitioners(登録臨床医)病院
Nurses(看護師)病院
Pharmacists(薬剤師)薬局
Police Officers(警察官)警察署
Postal Manager(なぜか郵便局のマネージャー)郵便局
Solicitors(弁護士) 弁理士などもOK弁護士事務所
Registered migration agents(移民弁護士)移民弁護士事務所
https://info.australia.gov.au/information-and-services/public-safety-and-law/justices-of-the-peace でも検索可能。
CCサインの例。左下にサインが見える。
大体資格保有者は定型句のハンコを持っている。

 こうしたエージェントの会社は、各教育機関からコミッションを受け取ってビジネスにしていて、その割合は学費の10%から20%、国や地域によっては30%にも上る(送客量が多い場合などはコミッションも上がる)。なので、色々相談しなければ学生は損ということになる。要は、学校はエージェントもそのビジネスモデルの一部に組み込んだビジネスをしていて、学生をサポートさせることで自らの業務負担を軽減しているのだ。

 しかし、コロナ騒ぎが始まってからというもの、エージェントの業務は激減している。それもそのはず、入国制限がかかってしまっては、誰も渡豪するものなどいないからだ。更に、日本人で学部や院に進学する者の数はもともと少なく、語学留学がかなりの割合を占めていた為、ここに来て「オンラインで」と言われて素直に「わーい」という学生などいなくなってしまっているのだ。「だったらNOVA行く」「フィリピン英会話で十分」と考えるのが常だろう。クソ高い学費を払って豪州の英語学校に入る意味は、確かにない。

 考えれば、グリフィスも含めて、語学部門は火の車なのだろう。教員は大幅にリストラされ、各学部でさえ教員をカットし始めている。前も書いたが、学校(RMIT)によってはビルを売ったし、既に全土の教育機関で17300人の教職員が失業している。そんな中で、エージェントだけが安泰な状況は作り出せないのが自然だ。去年お世話になったエージェントさんも、かなり大変な年を迎えていることと思う。そして、今年いっぱいは続くであろう入国制限の影響は、今後じわじわと、そして色濃く出てくるはずだ。家賃も人件費も馬鹿にならないからだ。その中で、来年なお生き残れてるエージェントは、かなり上手く財務を回している会社ということになる。業界再編もあり得るだろう。

 ちなみに、豪州政府の主催するエージェント資格は免許制で、個人免許はネットで取得可能だ。ご興味のある方は、資格取得にチャレンジするのもいいかも知れない。

 

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