[帰国関連]追加託送荷物の悪夢。

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 今回いきなりの引き揚げの為に、色々と想定外の出費や準備に迫られることになった。

 そのうちの一部が引っ越しだ。僕は本以外でそれほど溜め込む方ではないのだが、それでも結構な量の荷物を抱えることになり、さらにこの気まずい時期に帰国するので、面倒が重なった。

 まずは、年末の郵便・貨物発送は鬼門だという点にぶつかった。この国からの貨物の発送は、郵便の他にDHLなどの外資物流、更に別ルートの国際物流の会社がある。しかし、DHLやFEDEXは異様に高い上、貨物扱いな為に日本で関税がかかってくる。そして、国際物流を調べたら、これは僕がゆっくりしすぎたのだが、既に年末年始の休暇に入っていた。少しくらい安くてもこれではお話にならない。物流は人間社会の血管だ。血管が詰まってしまったら、この社会は死んでしまうし、人間の動きも止まってしまう。

 そのため、郵便局を利用することになったのだが、これも年末休暇に呪われた。僕はキャンパス内の郵便局から出そうとしていたのだが、これがクリスマス休暇とかいう掲出物一つでアウト。どうしようか困っていたら、近くの利用者のおばさんが、「多分・・・あっちの郵便局なら大丈夫なんじゃないかしら・・・2kmくらいあるけど」とヒントをくれた。「多分サウスポートのオーストラリアフェアの郵便局もOKなんじゃないかしら」。

 そこで気を取り直して、サウスポートに出かけ、オーストラリアフェアの2階にある郵便局で箱を購入、「明日持ってきまーす」と言い残して帰ってきた。

 学生価格からしてみると、一番安いのは件の国際物流会社で、引っ越しにはよく使われるらしい。その次が多分郵便なのだが、ちょっと高めになっている。送った結果は二箱で380ドルだった。まあ、安くはない。箱も6ドルなので、一個500円くらいすることになる。しかしそれは一つ無駄になった。途中で箱を替えたからだ。しかし、日本の宅急便の箱と比べると格段にヤワな箱なのに、宅急便の箱の倍以上するのには呆れた。日本は安い。

 しかし、僕はこの郵便に関しては「残り物」を送るのに使った。というのも、ヴァージンエアは9個まで、ANAは特に制限なく荷物を預けて良いということだったので、体力と相談して6個預けることにしたからだ。これも交渉というか質問にはかなり苦労した。電話で外国語を話すことのプレッシャーは、やったことのあるものでないとわからない。確かに鍛えられるのだが、とっても痛々しい会話になる。

 それも、最初と2回目で答えが違った。最初は「ここで大丈夫よー」「無料は1個よー」だったのが、二日後に聞いたら「国際線がらみは空港でしか払えんぞー」「国内は二箱まで無料だー」「前回の娘は教育が足りなかったっぽいぞー」に変わったのだ。結果としては、そのほうが良かった事になるし、手応えは確かなのでいいのだが、まあ、海外あるあるなのだろうか。

 最終的に、荷物は12個になった。スーツケース6個、段ボール6個だ。

 UBERを呼んでおいたはいいが、当日えらい文句を言われた。「MAXI(でかいタクシー)を呼べよ」というのだが、そんなものは呼んだことがない。

MAXI

 パニクりながらも、運転手は七人乗りの車に荷物を積みこみ、僕を乗せて空港へと車を走らせた。料金は80ドルくらいかかった。一番でかい車だったので、どっちにしても高かったのだ。最後はいいオヤジだったので、チップも五ドルつけたら礼が来た。

 次は空港だ。やっと空港へ着いたら着いたで面倒はてんこ盛りだ。まず、カートを有料で手配しないといけない。

一回で4ドル取るぼったくりカート。

 一台一回四ドル、四つ手配したので16ドル。たかが10分の利用だ。ここでGCへの愛着が摩滅し始めた。その後に最低な現象が連続して起こったので、この国には期待しないことにしたくらいである。だが、ヴァージンオーストラリアのカウンターにたどり着き、少し救われた感じをもらうことができた。

 というのも、規則で行くと、僕は4個の荷物枠を持っていたが、それでも8個オーバー。そして、空港でそれを申告してオーバー手数料を払うと、一個につき90ドルがチャージされる。つまり、720ドルになるのだが、色々と話をした結果、空港の主任が「コールセンターに二度もかけてるんだろ?だったら半額でいいと思うよ」と、その場で半額にしてくれたのだ。実際の料金は、ネットで自分で操作すると45ドル、コールセンターで55ドル、空港で90ドルという料金(いずれも一個当たり)なのだが、ここで一気に半額にしてくれて、結局払ったのは360ドルだった。それでも約3万円で、確かに高いのだが、この先にはもっと高いのが待っているので、こんなのはお茶の子だ。

 しかし問題は、今回コロナのせいでANAとの連携が切れており、シドニーに到着後、連絡バスに乗るだけ、とは行かなくなっていた点だ。しかし、バゲージクレイムでほうほうの体で荷物をピックアップして聞くと、「バスはもうかなり前に止まったよ」との一言。思案のあげく、タクシー配車のおっさんに、いわゆるMAXIを呼んでもらった。半分は積んでくれたが、半分は自分で積むことになった。この過程でどれだけ擦り切れていくのだろう。

 そして、国際ターミナルに着いたのはいいが、降ろされた場所がかなり手前で、ここからもまた苦難が待っていた。運賃はやはり80ドルくらい。

 悪夢というのは、降りた場所からANAカウンターまでの距離だ。約40メートルは有っただろうか。そこからカートを仕方なく1台手配し・・・と言っても、降りた場所では現金しか使えず、そのカートの手配もかなりの距離を端された。そして、少しずつ運ぶことにしたのだが、「近くに人がついていないとダメよ」と、これもまたオージーの杓子定規な要求を突きつけられ、ほぼ不可能に近い状況を作ってくれた。この国、ダメだ。昔も書いたが、MATESHIPとか現地人にはない。この国民性には呆れる他ない。結果、かろうじて手を貸してくれたのは黒人のガードマンだけだった。

 とりあえず空港ビル内に荷物を運び入れ、そこから次のポイントにカートを走らせる。そこで一回誰もいない状況は生まれたものの、一瞬だったのでお咎めはなかった。ここでケチがついていたらどうなっていたことか。というよりも、こんなに荷物を運ぶ奴はそうそういないのだろうが。

 そこからは、着くのが早すぎたので、3時間ロビーで潰すことになった。疲労に塗れた僕と嫁は荷物を固めておいてバーガーキングやサンドウィッチを買いに行った。もちろんバラバラだ。一人は荷物番、一人は買いに行く。そんな感じで、とりあえずひとまず食欲は満たした。

 しばらくすると、というか、かなりしばらくして(早く着きすぎたのだが、早くついていなかったら終わっていたはずだ)、ANAのスタッフがカウンターに集まり出した。3時間前からの受付で、少し前になったら「並んじゃってください」と言われたので、ANAにカートを一台借りて、ビジネスの列に入っていった。こういう時にスタアラゴールドは嬉しい。そして、少ししたら、スタッフの女性が手を貸してくれて、チェックインとなった。

 チェックインの窓口に立っていたのは、5年前にこの空港で出会ったANAの地上職員だった。「覚えてます?」と話が始まり、少しずつ相手の記憶が戻ると、後ろに人がいなかったこともあってか、お互いに色々な話をしだした。その過程は楽しく、大爆笑で進んだのだが、流石に料金は個数になってしまっていて誤魔化しが効かなかった。一個100ドルだ。僕らはスタアラゴールドで優待枠を持っていたので、合計6個まで無料、その他の6個が対象になった。合計600米ドル、776豪ドルだった。

 ここまでで、豪州国内での「罰金」は終了した。776+360+160で1296ドル、で合ってるのかな。まあ10万くらいになった。そして、付け足しておくと、日本に到着後のJALABCで13個(持ち物を段ボールに纏めたので一個追加)送ったので、15000円ほどかかった。というわけで、郵便も含めて15個で15万円弱、一個につき1万円の輸送費がかかったことになる。

 今回僕は1年で切り上げたので、これで済んだのだが、これがもし2年以上のコースになっていたらどうなるかと思うと、心中冷や汗のプールで溺れてしまいそうな状態だ。特に永住が目指せない年齢で行く以上は、このくらいがちょうどいいのかも知れない。もちろん、金額的には悪夢なので、なるべく少ない荷物で向こうに行き、荷物を増やさないようにするのが理想的な生活と言えるだろう。留学にはそんなにお金をかけるべきではない、というのが僕の原則だ。特に住宅費や輸送費などというつまらぬ部分にはお金をかけぬような計画が必要だ。

 中年諸君、是非浪費などなされるよう。

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