Underemployedという状態。

 当時、と言ってもまだ修了してから2週間も経たないのだが、まあ「当時の先生」からメッセージが来た。聞けば現在失業中なのだという。授業を受けている当時、別の先生からも聞かされてはいたのだが、多くの教員はこのunderemployed、辞書の訳では「潜在失業の、不完全雇用の」、日本で言う「非正規」「非常勤」の状態にあるようだ。特に、英語学校のような場所では、週何日、これは前にも書いたが、月水金、火木と言うような飛び飛びで授業をする教員というのは、全部が非常勤という感じのようだ。

 専門課程に繋がる語学教育機関で、その教員のほとんどが「学位課程の状況をよく知らない非正規」であること自体が驚きなのだが、それにしても、今回のコロナ禍の影響を思い知らされるメッセージではあった。

 国境を閉じてしまったこの国には、「留学生」がくるはずもない。留学で買い求めるのは「この環境」であり、「オンライン英会話」ではないからだ。オンライン英会話ならフィリピン人講師のレッスンで十分だろうし、ここまで大枚を叩いて渡豪する必要もない。

 計算してみた。フィリピン人講師のコースはピンキリだが、例えば1コマ250円で受けられるとすると、こちらの授業は1日8コマになるので、2000円。それが5日間で10000円だ。そして、こちらの価格は450ドル計算で31500円、そこに家賃や日常の出費が重なってくる。要は多分1週間7万位になってくるわけだ。ただ英語をやるなら1万で十分だと思うのは当然だ。そして、そこからオンラインの専門課程にいくとすると、質問できるできないを加味しなければ、今MOOCやYOUTUBEで見られる授業は腐る程あり、コストはかなり低い。要は証明書が出ない、クラスメイトができないという状況があるに過ぎない。ここに年間200万(生活費を足せばその倍)はありえないだろう。4分の1程度でいいくらいだ。よく考えたら、この状況ではクラスメイトもいないに等しいではないか。オンラインクラス以上の価値はもともとないのだ。

 そうすると今度は講師が要らなくなってしまい、更に雇用状況は悪化し、管理スタッフも要らなくなってくる。そこから教育産業は負のスパイラルに落ち込んでいくわけである。エージェントも上がったりで、元々クソ高い学費の一部キックバックを収入にしていたものが、成り立たなくなるわけだ。

 コロナ騒ぎ(もしくは騒ぎ過ぎ)は、奇しくも現代の産業構造の歪みを照らし出すことになった。オンラインという手段が現れ、AIが現れ、人材が淘汰され、留学という産業の構造自体の矛盾も問われるようになっている。オンラインになってもクソ高い学費を提示している各学校は、おそらくこの先誰も寄り付かなくなるのではないだろうか。そして、様々な権威は崩れ去り、知の価値が再度問われることになるのではないだろうか。

 働き方改革による将来の大量リストラと共に、学び方改革が大きな音を立ててその爪を立ててくるかも知れない。それにしても、肉眼では見えない小さなウイルスが、そこまでの偉業を成し遂げることになるとは、誰も予想しなかったことだ。

 しかして、Underemployedとは、そんな状況を先取りした概念だったのかも知れない。今回の騒ぎの結果として、留学の一層の価格破壊が起こること共に、バラバラに散った講師たちが報われるオンライン経由の新たな雇用形態が生まれることを期待したい。その未来は恐らく、すでに指摘した独立単位修得型の教育ネットワークの出現だろう。今なおハコにしがみ付くガッチガチの教員らの意識がそこまで追いつくかは定かでないが、ミネルバのような学校形態が出現しているところからは、そんな未来を期待することもあながちハズレではないと感じている。

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