[学校選択]裏切りと怒りのサンシャインコースト。

Photo by Manuel Geissinger on Pexels.com

 帰国までの顛末は別に書いた。が、帰国当日、いや、帰宅直後に次段階の指導教官からいきなりとんでもないメールを受け取ることになった。

Yesterday, University shut down and dis-established the Institute – the Institute is no more.

昨日、大学側は研究所を閉鎖しました。研究所は今後存在しなくなります。

 研究所は専攻の主体であり、そこに所属する講師が授業を提供している。つまり、そこが解体されるということは、講師らもその拠り所をなくすことを意味する(当然、2日後くらいには一部教員も検索できなくなった)。

 僕が出願した大学である某「サンシャインコースト大学(USC)」は、オーストラリア初の「サイバー犯罪捜査とデジタル鑑識研究所」を設立し、僕の出願した学科を主宰していた。そして、僕は昨年の11月から出願を始め、研究所の複数の担当教員らと連絡を築き、入学に向けた準備を進めてきた。その為にサンシャインコーストにも行き、教官に会うためにキャンベラにも飛び、あらゆる手段で情報収集に努めてきたつもりだった。それが、突然研究所を解体・閉鎖するというのである。それも、えらい思いをして日本に降り立った当日にである。

 さもありなん、知らせを受けた翌日には、一部教員がサイトからざっくりと消えたほか、その翌日には、ホームページから研究所までもが消えてしまった。それ以上は、こちらから何を質問していいかわからない状態に陥った。これでは教官に何か聞くわけにも行かない。彼もかなり難しいポジションにいるはずだ。

 しかし、である。実はその当日、教官のメールとほぼ同タイミング、つまり研究所が消えた翌日に、大学はエージェント経由でオファーを送ってよこしていたのだ。それも、まるで何も起こっていなかったようにだ。専門性の高い教員が何人も消えているのに、一体何を教えるつもりなのか。ここで謎は一気に深まった。イミフ過ぎた。

 僕はとりあえず教官に相談はしたが、彼も突然の知らせだったようで、全体の方向性はなんとも言えないようだった。仕方ないので学校にメールをしてみることにした。かくして入試部門の答えは、「予算の関係で閉鎖した」とこれまた正直すぎる答えが来た。では専攻はどうなってしまうのか。

 教官からは、今担当教員についてはこれとこれとこれが決まってはいるが・・・、という趣旨のメールが届いた。しかし、である。問題は、全ての講師の契約が今年いっぱいとなっており、来年が空白になっているらしい点、そして、専攻の象徴である研究所のトップは解任を仕向けられ、辞任したままで、戻る話はないという点だ(元所長のリンクトインのプロフィールが、「1月で辞めた」という内容に変わっていた。つまり、彼はもう戻ることはないということを、外部サイトで示していた。が、学校のサイトには何度も肩書きを変えられて残っていることをその後数回の検索で発見している。この関係性は不明だ)。調査段階で数名の教員と連絡手段を確保していた僕は、困惑しつつも数名の教員ともコンタクトを取って、その時点での現状を確認したのだが、どうも「先行き不明」な感じのようで、誰からもはっきりとした返事はもらえなかった。

 しかし、これではいてもらっては都合の悪い所長を辞めさせるために研究所が閉鎖されたと理解されても仕方ない状態であり、学校の態度は学生にとっては完全に裏切りにも似た行為だ。宣伝文句(公式サイト)では散々「同ジャンルではオーストラリア初となる研究所」「FBIやCIAでの勤務経験を持つ教官が教える」と謳いながら、オファー発行当日に研究所を閉鎖してしまい、その帰結として所長や教員を追い出してしまったのだから(FBIとCIA・・・の教員は今見る限りでは一時的に復帰している)。

皮肉にも州のサイトには記録が残っていた。

 そもそもこの専攻は、その所長が看板に立ったからできたようなものだ。所長は国家プロジェクトIDCAREのトップを務め、更に政府上層部にも関係を持つ人物だ。そして、その他の教員たちは所長が一本釣りで連れてきた人材ばかりなのだ。その状況で、2018年に立ち上げたばかりのこの研究所を潰すことは彼に辞めろと言うようなものであり、この大学のサイバーセキュリティ分野の未来を捨てるような信じがたい行動だ。これほどの知名度を持つ看板教授を捨て、大学の看板一枚で一体何をしようと言うのか。それに、学位課程は2019年にスタートしたばかりで、卒業生も一期しか出ていない。

 さらに腹が立ったのは、これまで「ビザのキャンセルレターを持ってこい」「チケットの半券を出せ」などと色々きついことを言ってきた担当(強気女)が、「キャンセルしたかったらいつでも相談してね」などと、まるで他人事のようにメールをしてきたことだ。ここで僕は顧客の一人として完全にブチ切れた。無責任にも程がある。

 国際入試部門は、学生に将来を考えた正しい情報を伝え、さらに何らかの状況が起こった時にはサポートし、各ステップで学生に適切と思われるアドバイスをすることが仕事であり、今回のような学校都合の破壊的な状況にあっては、まず自らその状況説明をしてくるのが筋だ。それが、解体を知りながらシレっとオファーを出し、質問をしても一週間も放置し、更に「いつでも辞めていいわよ」とは何事か。本来であれば、学生の夢を支え、将来への最良のコースを導く役割を果たすべき部署のはずだ。マーケティングの最前線でもあるが、今回のことでこの学校のイメージは総崩れ、ゼロどころか「えぐれた」と言っても過言ではない。これは、USCが提示していたカリキュラムや教官の内容が、僕のツボにかなり鋭く刺さっていたことからのギャップでもある。今もサイトにはカリキュラムが載っているが、そこには「現状のカリキュラムであり、学期開始後の状況を優先する」との記載まで増えている。これはカリキュラムが不安定なことの裏返しとも言える、まあまあ「正直な」記載法とも言えるが、経過は推測すら出来ない。これで学生を募集しようという厚顔無恥なやり方は、ここまでの豪州体験でも未体験ゾーンだ、

 そんな態度をされ、僕はブチ切れた。が、それ以上に、「この学校は終わった」と感じた。この大学、サンシャインコースト大学は、目先の金銭しか見ておらず、学術への投資をせず、無闇に学位課程という商品ばかりを増やしているーーー要は学生のことなど何も考えていないのではないか。そして、学生の立場に立ってサポートすることなど全く考えていないのではないか。このレベルでなお日本のエージェントと連絡を取り、ZOOMでセミナーを開き、学生(多分語学留学だが)を募集しようなどと考えている点は「傍痛い」としか言えないではないか。はっきり言って僕は「キレた」し「あきれた」。全てが不信に変わった。皮一枚つながっているのは、全てが教員らの専門性への期待によるものだ。基本的に僕は品質重視なのだ。

 ただ、中年学生としては、やられっぱなしではつまらないし、もしかすると何かの変化もありえるかもしれない。そこで、僕はギリギリまで引っ張って切り返すことにした。オファーの先送り(DEFER)を申し出ることにしたのだ。これは本来出願者の選択肢として認められているからだ。そして、その経緯を書いた長文メールを学長オンブズマン国際部エージェント・(なるはずだった)指導教官に送付した。いくらなんでも、何も言わずに騙されるわけにもいかず、それ以上に、何も言わずにオファーいりませんとも言うことはできない立場に置かれ、何より腹の虫が収まらない。すると、オンブズマンが先に返事をよこした。「明日オフィスに戻って何ができるか考えるわ」と言う。サービスの監察機構であるオンブズマンオフィスがメールを出すからには、他の部門は何も言えないのだろう。指導教官も含めて他の参加者は何も言葉を発しなかった。

 しかし、結果はどうだったか。オンブズマンも大した返事はよこさず、催促の挙句に最後と思われる返事を寄越したのは教務担当副副学長だった。が、それも何も書いていないのと同じだった。内容的には、自分はよく預かり知らない、授業は親学部が提供するので影響はない入試担当のコミュニケーションにも特に問題はなかった、意見は今後のサービスに生かしていくなど、日本でもよくある政治的回答に終始していた。要は「俺は関係ねえし、これ以上の返事をするつもりはない」という意思表示だった。これは何ら改善するつもりのないポジショントークでしかなく、下手をすれば学内の権力闘争すら透けて見える気持ちの悪い返信だった。一般論として、本来ならば研究所は研究担当副副学長の管轄だ。ここで研究(Research)担当がすべき返事を、教務(Academic)担当がしてきた時点で、何かおかしい状況が見て取れる。返事をすべきは、オンブズマン入試担当、そして当事者であろう研究担当のはずだ。そこに教務担当がしゃしゃり出てきた時点で、恐らく、この学校は今、内部が相当に荒れていて、学生の利益よりも自分の利益が大事な教務担当副副学長が幅をきかせているということが理解できる。下手をすれば、「教育部門は放っておいても学生が来るから儲かるけど、研究部門なんかいくらあっても外部から研究予算(収入)取れてねえじゃねえか」みたいなノリで、研究派と教務派の派閥争いに研究所が巻き込まれた構図すら浮かぶ。これではまともな授業など提供されようもないし、学生の利益など根本的に保証されようはずもないではないか。この学校、大丈夫なのか?そしてそもそもメールの署名がコピペ(サインの写真貼り付けただけ)って何?という状態だ。自分の地位は大事だけど、学生の人生はコピペくらいの価値しかないのか。今後のサービスは、今目の前にいる学生へのソリューションを提供するところからしか始まらないんじゃないだろう。あまりにも無責任な返答に、再度キレた。そこで「お前が返事をせい」と再度オンブズマンに要求し、「お前じゃなくて研究担当から返事させい」と教務担当に求めた。

 また、その一方で、学校はオファーの延期書類をエージェント経由で送ってきた。これには1年先送りする旨の返答をしておいたが、来年、果たしてこの専攻があるのかも怪しいのだから、どうしようもない中での足掻きでしかない。一年後、僕は再度カリキュラムや教員の陣容を確認し、先行きが担保されるのを待ってから最終判断をすることになる。ヘタをするとずっと先送りになる可能性もある。

 ・・・しかしだ。こういう細部から考えるに、とどのつまり、この大学、とことんダメなんじゃないだろうか。僕個人は来年までしばらくこの学校と関わらないと思うし、よしんばここのコースに進む方向で検討を開始したとしても、ここまで研究基盤が不安定では、教官には申し訳ないのだが、この学校を他の学生に勧めることなどできないとは思う。それにそもそも現状では自分の学位すら出るかわからないのだ。そんなところに誘って、後から「跡見さんが勧めてくれたんじゃないですか!コースなくなっちゃいましたよ!責任とってくださいよ!」とか責められるのは御免だ。更に、原則論的に言っても、学生を裏切る「学校」には学校たる資格など1nmもない。もちろん、いつか留学をアドバイスする立場に立った日には、この学校には誰も紹介することはないだろう。ミシュラン風に評価をつけるなら、星はない。星一つというのは、あくまでアマゾン式だ。もし評価がえぐれてもいいなら、マリアナ海溝くらいのレベルで点数をつけて差し上げたい。もちろん、大学が態度を改めて、学生第一のポリシーを再確認するなら話は別だが。

 指導教官(未遂)、ナイスガイだったのになあ。返事来ないし、このまま没交渉になってしまうのだろか。だとしたら、もともと少なかった現地の知り合いが、また一人減ってしまうことになる。そしてもちろん、真面目に働く他のスタッフや、今まさにUSCで学ぶ学生たちは、こうした学校の対応を知ったらいい思いはしないだろう。もし僕がUSCの学生だったら、多分速攻で転校しているのではないかと思う。国際部門も居丈高なだけで全く頼れないのだから、あとは自分でやるしかないのだ。

 思えば、ボンドもグリフィスもUSCも、ある意味ほとんどが僕の訴求に対して塩対応を繰り返している。僕の願いは①奨学金の申請資格が欲しい(ボンド)、②授業カリキュラムの取り消しをやめてほしい(グリフィス)、③専攻がどうなってしまうのか、明確な路線が出るまで延期させてほしい(USC)というもので、今回のコロナ禍の中、全ては現実的な手助けの必要性があるものばかりだったにも関わらずだ。変な話だが、こんな経験を豪州の複数の大学でした人間は僕以外にはいないはずだ。チャンセラ◯アパートに関してもだが、本当にこの国とこの国に染まった外国人にはサービスとかの概念がないのかも知れない。産業といいつつ、実は単に作られたシステムにあぐらをかいているのみで、進歩とかイノベーションとかサービスの向上とかいう考えはないのだろう。だったらいっそ人間じゃなくてAIか何かに話しかける方がマシだと思うし、第一それこそこの国の価値を否定する行為のはずなのだが。

 そして、現実に得た数々の返答の感触は、この国の教育産業が第三の産業という触れ込みそのものを、にわかに信じがたくさせるものばかりだった。逆から見れば、組織に入れば保身に走り、真に学生の立場で考えるスタッフなどいないというのが世界の真実なのかも知れないし、国家の課題なのではないかと思う。その意味で、個人レベルで色々と後押しをしてくれたスタッフや教官らとは、今後もできれば関係を保っていきたいと考えている。彼らとは、国籍とか、制度とかの枠組みを超えた付き合いがあったように感じているからだ。

 さて、USCに関しては、返事もよこさずに幕引きを図ろうとする姿勢が見えたので、オンブズマンに再度抗議をするとともに、クイーンズランド州のオンブズマンにも案件としてあげておいた。現在は州オンブズマンからUSCへの問い合わせが行われている最中だ。できることはなんでもしなければ、顧客としての利益は守れない。こちらは、引き払い、引っ越し、帰国に数十万を費やし、更に今度はこの先の1年半の人生の梯子を外されたのだ。ただのメールだけで済まそうなどと、都合のいいことを言わせておける訳が無い。

 ちなみに、ここまでの話は全部記録を残しており、この話が根拠のない誹謗中傷ではないこと、また今後の留学生の利益に関わる為に公開していることを記しておきたい。当然ながら全部個人名を開示するわけにはいかないので、流れの中のポイントをかいつまんでお話ししているが、現象の外枠だけでも理解して頂ければと思う。神経の違う国との付き合いは、こういうことの繰り返しなのだ。

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