
写真は中国のブログに載っていた記事だ。内容にはこうある。
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今年のクラスにいた中国人学生が、11月に交通事故で亡くなった。学校の教務部が科目を担当する講師らに連絡し、学内にも電子メールで通達が回った。
しばらくは辛かった。生前に彼女とはメールでやり取りもしていたし、僕のクラスにもZOOMで参加していたからだ(カメラオフではあったが)。
しかし、雲行きは予想外の方向に向かった。
「彼女」は、死後にもしっかりと宿題を提出し、小テストをこなし、全ての担当教員にメールを出し続けたのだ。
先週には、私の科目の最終レポートを提出してきた。今週には、追加点の為の課題も提出してきた。
何が起こっているのか、薄々わかってはいたのだが、僕は特に行動は起こさなかった。
だが、うちの学科の他の教員は皆腰を抜かしてしまい、学部長まで話が上がり、今では学校の上層部もこの状況を知ることになった。
そして今日、メールが届いた。「調査に協力し、ネットクラスの代返サイトのリストを提出すること」を求められた。
そこで僕は、コロナ禍の中のわずか数ヶ月で、代返の産業チェーンが目まぐるしい発展を遂げていることに気付かされることになった。そこには、学校のサイトのIDとパスワードさえ渡せばBやAを確実に取ってくれるサービスが既にシステム化されていたのだ。
今回の事件を経て、その産業がどうなるかは不明だ。しかし、今僕は極めて複雑な思いの中にいる・・・
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人が死んでも、代理の学生が宿題を出し続け、試験も受け、当の学生は成績を受け取って「卒業」する。僕の周りにも、確かに全部「下請け」に回している学生がいた。僕はそんなツテはなかったし、広告も無視していたし、何より学費と同じような金額を払ってまで単位を取る意味がわからなかったので、利用はしなかった。しかし、特に中国系の学生の周辺ではそうした産業が蔓延り、確実に顧客を得ている。今もなお、そのサービスを利用する学生がいて、そういうサービスは世界中に存在している。
今も在学している学生だが、人懐っこく、実家には金がある、そんなキャラの学生で、毎回決まって「外注」し、自分は外で商売に熱を入れていた。彼らの商売は決まって中国人相手だ。そして、豪州製品を中国に大量に捌く仕事をしている。こういう卒業の仕方をしても、卒業ビザは出るし、永住権を取ることもできなくはない。だが、こうなれば完全に資金力の勝負であり、豪州政府もそれを知りつつ、自国の国籍をめぐる第N次産業を認めていることになる。
これでは、いくらAcademic Integrityのコースを強制しようと意味はないし、学校は根腐れしていくしかない。言うなれば、留学などする意味は全くなくなる。もちろん、そこで開き直る学生もいるだろうし、上手くやる学生も出てくるだろう。しかし、よくよく考えれば、そんな市場に落とす金は無駄金だし、いずれは学位も無価値なものになる。
中国系・韓国系の学生は、こうした割り切りが速い。特に教養科目では、勉強する体力が無駄だと感じるのだろう。わからなくもない。しかし、その行為は巡り巡って他人の未来を蝕んでいくことになる。何より、この現象は世界各国で起こっている。いわゆる高学歴エリートにも、こういう「脂身」のような学生が混じっている。
考えてみれば、人生は金で買えるし、投資した額の分だけ自由度も高くなる。まあ、それも一部現実ではあり、理想とは別のベクトルで動くロジックはどこにでもあるのだ。人生のファストパスとでもいうべきだろうか。
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