
それぞれの大学には、RPL(RECOGNITION OF PRIOR LEARNING)と呼ばれる制度がある。これは、それまでに受講し、単位をとった科目を認めてもらう制度で、いわゆる単位移行制度だ。
これは、例えば日本の大学でもいいし、豪州の大学でもいいのだが、要はこれまでやってきた学業の一部を単位として認めてやろうじゃないかという制度で、ある意味学生にとっては節約の手段にもなりうるものだ。
MBAの時にも、同期の学生が、日本でやった勉強の成績書を提出することで、数科目を免除してもらっていたので、そんなに珍しい制度でもない。もしも、どこかで大学教育や大学院教育を受けたことがあるならば、これは積極的に利用すべき制度だ。
豪州では全ての大学でこの制度があるので、利用しない手はない。そして、出願の際には、「単位移行するか」という欄にチェックをするようになっている点からも、この制度はかなり根付いているのだなと感じられる。
提出する書類は成績表と、コースプロファイル、そして、もし学校が求める場合は、教材や講義スライドを提出し、担当講師の審査を仰ぐことになる。もし、豪国内で受けた授業であれば、基本的に通ると考えて差し支えないと考えるが、場合によってはそうならないこともある。コース設置基準は同じであり、どれも国の要求を満たしたコースなのだから、同じようなものなのだが、学校によってはウェイトの置き場が違い、通らないこともある。
豪州の大学院の科目は、AQFでレベル管理が行われており、本来なら、国内大学の成績はそのまま認められるべきのものだ。大学院はLevel9の基準を満たさなければならないし、この杓子定規が大好きな国で、同じ名前の科目は同じ内容でなければおかしい。が、実際にはそうは行っていないようで、結局は審査を受けなければならないのは悲しいところだ。
しかし、それが認められれば、一科目で3000〜5000ドルくらいの節約になるのだから、中年で全部自費の僕としては試さずにはいられない制度なのだ。
いや、もちろん、この授業にこんな金取るなよ、という思いも強い。文系であれば日本の一年分の学費が一学期で飛んでいく国なのに、やっている教育は20000円の「が●ぶん通信講座」と同じようなものならば、腹も立つというものだ。なので、いく学校を選ぶこと、そしてこうした制度を利用することは、極めて重要なコスパ戦略の一部になってくるのだ。
親が出してくれるからわかんなーい、という人には、確かにわかりにくい感情かも知れない。もちろん、大学がどうあるべきかを考えない人にも(初めて大学に行く人も)、こうした複雑な思いはわからない・・・だろう。しかし、いつかわかる日は来るし、その時に、こんなことを言っていた人がいたなあ、と思い出してもらえれば、本稿の目的は果たされたことになる、と思う。
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