普通なことの難しさ。

やっと届いた新たな学生証。

 展開が速くて申し訳ないが、僕は今、新たな学校の学生として、新たなコースの授業を受け始めている。

 これは何も矛盾する話ではない。中途半端に1年も暇ができようものなら、USCには損害賠償とか慰謝料どころのハナシではなくなるし、何より既にジジイな自分の時間がもったいない。碌に約束も守れないようなポンコツ学校の為に前進を止めるわけにはいかないのだ。もちろん、1年半後にUSCが生まれ変わるなら、それを選択肢にすることもできるし、取った単位は振替申請もできる。ならば、一人の人間としては、まずは「前進あるのみ」ではないか。要は、軸を同じくする専攻に進めばいいだけのことだ。USCは、何も事件が起こらなければ、カリキュラムデザインは素晴らしかったのだから、輝きを取り戻した時点で戻れば良い。そして、この一年をブランクにすることは、グリフィスで培った基礎を丸々無駄にすることにもなる。それでは大損もいいところだ。USCに対する怒りの火も余計に消えなくなる。

 これまで読んでいただいた方はご存知と思うが、僕は東京に戻ってきてしまっている。それもコロナ真っ最中の時期にだ。さらに、数回前に書いたように、とんでもない苦労と出費をして帰国したし、帰ってからも大変苦労した。もちろん、早晩帰国する予定ではいたので(いや、元はと言えばグリフィスがカリキュラムを変化させたせいで、計画通りに卒業はできなくなっていた。つまり、卒業生ビザも取れなくなっていた。そこでUSCを考えたのだが、USCがなんとも見事にそこに不可逆なダメ押しをした形になったのだ。そして、もとより死ぬまでいるつもりなどなかったので、「早晩」帰国せざるを得なかったとも言える)、そうした費用はいずれはかかったのだと思うが、今回に限って言えば、USCの頑なな要求がなければ、こんなに慌てて帰る必要はなかった。そして、一回帰ったら豪州には戻れないこんな時期に、わざわざ大枚を叩いて遥々帰ってきた挙句、今度はUSCも内部分裂で宙ぶらりんになり、さらに日本で他の用事もないとなれば、要は単なる自宅警備員になってしまう事になる。こんな学校都合で切られるような処遇は誰だって耐えられるものではない。僕の怒りは1nmすら収まっていない。

 なので、煮詰まりに煮詰まり、更に事態の打開が難しいことがわかった時点の1月中旬から、僕は別の候補を探し始めた。

 結果は、いくつかの大学が候補に上がった。豪で3校英で3校米で3校。費用はどこも変わらないらしく、予算とどのくらいまで合うか、科目がどういう構成かだけが問題になった。その結果、どちらにしてもオンラインには変わらないので(このご時世で再度出国はコストがかかりすぎる上、豪州など入国すらできない。僕の最後の青春と豪州生活と旅費を返せUSC)、もっとも興味を満たしてくれる場所を探すことになったのだ。

 そこで、僕は、候補となった大学全部を費用・時間・科目・時差などでスクリーニングした。結論としては、米国や英国は時差の問題でかなり肉体に無理がかかるので、カリキュラムはかなり良かったのだが、諦めざるを得なくなった。日本もついでに調べたのだが、ITのバックグラウンドなしで受け入れる学校はほぼなかった。かろうじてデジハリは射程距離に入ったが、セキュリティ関連ではなく、通学する体力にも疑問符が付いた。そこで再度、性懲りも無く豪州国内でサイバーセキュリティの修士課程を見つけて出願するほかなくなった。もちろん、コスト優先で、ほどほどに学費のやすい場所を選んだ。同じ国の大学設置基準で開設された学科に上位も下位もありゃしないのだ。どこを出ても「オーストラリアの大学」なのだから。そして、出願に当たっても、基準成績はどこにいくにしてももちろんラインを超えているのと、面倒なCoEやビザもいらないので、オファーは当然サクッと出るし、帰れだのとか余計なグダグダを言われることもない。でも、基本的に全部DIYのせいなのか、留学生部門の反応はむちゃくちゃ遅く、一週間返事が来ないのは当たり前な状態。そこで仕方なく、例の如く学部の教授に質問し、その指示に従う形で間に指定エージェントを挟んで擦った揉んだし、学期始まりにはなんとか間に合ったのだが、当然の帰結として心の準備など全くないままに様々なオリエンテーションに突入した。

 オリエンテーション自体に関しては再度詳しく書くが、各大学ほぼほぼ同じことを繰り返すもののようだ。そして、オンラインのせいだからだろうか、参加者が目に見えて少ないのが不思議だった。録画を見ればいい、と思う学生も多いのかもしれない。

 また驚いたことに、オンラインの学生というのは結構虐げられるようで、様々なものが届かないようになっている。例えば学生証、そしてウエルカムパックのようなもの(グリフィスではStudent Guildがノートと色々な割引クーポンの入ったトートバッグを宅配で届けてくれたし、学生証も送ってくれた。もちろんゴールドコースト在住だったからだが・・・もしかしてこの状況で海外にいたらくれないのかも知れないが)、さらに様々な郵便物だ。だが、これらは学生が「学費を払う」以外で自らの学生としての属性を感じることのできる唯一二三の瞬間を届けるもののはず。それを届けないというのは、単に単位を売っていると思われても仕方ないのではないか。郵便料金にはそんなに差などないのだから。

 こうした疑問を抱いた僕は、相変わらず我慢をせず、まず学生証に関して質問をしてみた。すると、「オンラインの学生、特に海外の学生には、キャンパスに来る用事がある場合を除いて提供していない」と返事が来た。それはおかしかろう、と、「学費は人一倍払っているのに、どうして学生証さえもらえないんでしょうか。これは自らを学校の一部と証明できる唯一の証明書のはずです。特に日本では、色々と必要になります」などと書いて抵抗したところ、「上と話して、送ってもいいことになったから、手配したわ」と返事が来て、その丸二週間後、学生証が届いた。そして、ネット上の「パスワードの変更」もやっとできるようになった。カードが発行されていなければ、確かにパスワードも必要はない。なので、これまでできなかったのだ。

 しかし、この学生証、学校のロゴが入った封筒をポストで見つけるまでは、結構疑いながら待っていたものだ。それだけに、封筒を見つけたときは異様な嬉しさを感じた。と言っても、これは本当に普通で、当然のことが実現されただけに過ぎないのに、だ。ルール至上主義の豪州では、こんなこともなかなか期待ができない。クソアパート同様、規則で責め立てなければ相手は屈しないのだ。それだけに、原則論と矛盾を突きつけることで一歩一歩解決するしかないということになる。また、ウエルカムパックについては、まだ好ましい結果には至っていない。

 だが、学生証については、学校側がこちらの言う事を「一理あり」と判断した。僕が探していたのは、そんな「打って響く普通の学校」だったのだと、今回初めて気付かされたような感すら覚えた。

 さて、日本や中国では、オンラインというと通学制の学校より低いレベルで見られることもあるが、豪州では比較的公平な待遇を受けている。これまでも、そして豪州に行ってもキャンパスライフなどほぼなかった元留学生としては、UXはどちらも変わらない。なので、今後も同じくレポートを続けていくつもりだ。だが、その上で、こういう撃てば響く相手というのは好感の持てるもので、意外と良いレポートがここで書けるようになるかも知れない。

 そして今、そんな僕は、自宅に篭って「留学生活」を続けている。帰国後仕事探しもして見たのだが、いくつか面接を重ねるたびに学校の授業が気になって気が引けてしまい、結局就職活動はやめてしまった。それは一週目の授業で、かなり衝撃を受けたからでもある。最初の授業でかなり訳のわからない事(英語)を大量に浴びせられてしまったのと、日本人など一人だけで、助け舟もなく、メゲるほかなかったので、心を入れ替えて学校一本でいくことにした次第だ。案の定、宿題はきびしいものだった。

 入る前、そして入ってから、学生証を含めて既に色々とイベントが起こっているので、今後ネタには尽きなそうに感じている。それらについては、またトピックごとに書いていきたいと思う。また、オンラインならではの話も出てくると思うので、そこについても、メリット・デメリットに分けて記していきたい。もちろん、これまでの蓄積を生かした各大学の様子の「現場中継」も続けていくつもりだ。

 USCに関しては、とりあえず書類上もDEFERしたので、今後の状況を見極めることとし、コントロール可能な範囲で自分の人生を先に進めたい。何より、まだ何もまともな返事もフィードバックも来ていないのだ。そして、州政府に頼らなければ結果が出ないほどのトホホな局面に嘆くほかない状況も変化していない。

 [追記]因みに、本日昼、再度別の郵便物が届いたので追記しておく。届いたのは、三週間ほど前にオリエンテーションで言われて申し込んでおいたスタディプランナーと呼ばれるカレンダーだ。グリフィスではなかったが、ボンドでは同様のものをオリエンテーションで貰った記憶がある。たった一枚なので、軽いからなのかも知れないが、こんなものが送れるということは、ウェルカムパックが送れてもおかしくないと思うのだが・・・どうもそうは行かないようだ。ただ、こうしたやりとりができることが、海外にいる学生としては本当に嬉しい。それとも、エアメールを受け取るだけでワクワクを覚えること自体、僕がそれなりの年齢であることを示すものなのだろうか。

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